行政書士事務所を開業する際に最も悩むことの一つは、事務所名でしょう。
さまざまな要素を考慮して決定する必要がありますが、開業して数年の私が感じていることをご紹介したいと思います。
これから開業される方は、参考にしていただければ幸いです。
方向性の決定―事務所名に何を求める?
事務所名は、規定を守っていれば自由に決めることができます。
(商標権の侵害などは注意が必要です)
そこでまずは、基本的な方向性を検討する必要があるでしょう。
あなたが事務所名に求めるものは何ですか?
- 無難である
- 変わった名称で注目される
- 個人名をアピールする
- 信頼感を与える
- 親しみやすさが感じられる
- カッコいい
- 言いやすい
- 覚えやすい
- とにかく自分の好きなものを入れる
- 地名を入れる
何を重視するかで、事務所名は変わってくるでしょう。
行政書士〇〇事務所か、〇〇行政書士事務所か
多くの事務所は「行政書士〇〇事務所」か「〇〇行政書士事務所」という名称を使用しています。
(規定では「行政書士」は必須、「事務所」は入れなくてもOKですが。)
この2つでは、どちらの方がいいでしょうか。
私個人としては「行政書士〇〇事務所」の方が好きです。
その理由は呼びやすさ。
「行政書士〇〇事務所」の場合、省略して「〇〇事務所」と呼びやすいです。
電話に出るときも(場合によっては)省略できますし、役所やお客様にも気軽に省略してもらえます。
一方「〇〇行政書士事務所」の場合、「〇〇事務所」と言うと中間を省略することになり、やや抵抗があります。
電話に出るときは毎回フルネームで言うことになりそうです。
役所の担当者やお客様も、さすがに真ん中を省略するのは悪いかな、とためらう傾向がある気がします。
※「〇〇行政書士事務所」でも「〇〇事務所」と略せないわけではありません。あくまで個人の見解です。
また、思い切って「〇〇」と省略すれば語順は関係ないですし、実際そう呼ばれることもあります。
※「行政書士事務所〇〇」というパターンもあります。
氏名か、氏名以外か
〇〇に入るものは、大別すると氏名かそれ以外かに分かれます。
多数派は、氏名(名字かフルネーム)かもしれませんね。
名字だけの場合、短くできますが、同じ名字の人とカブる可能性が高くなります。
フルネームの場合、唯一無二の事務所名になりやすいですが、長くなるのがデメリットでしょう。
- 行政書士徳川家康事務所
- 行政書士徳川事務所
- 行政書士とくがわ事務所
(ひらがな表記にすると柔らかなイメージになる+書きやすい。フルネームで漢字表記だとかなり重厚なイメージ)
氏名以外の言葉にする場合は自由度が高く、方向性に合った名称にしやすいでしょう。
そして、ネーミングセンスが問われることになります。
身近な言葉か、聴きなれない言葉か
〇〇に氏名以外の言葉を入れる場合、よく聞く身近な言葉か、聴きなれない言葉にするかの選択があります。
身近な言葉は親しみやすさ、覚えやすさがメリットになります。
ただし、身近過ぎる言葉を使うとインパクトが弱く、かえって覚えにくくなるかもしれません。
他者とカブる可能性も高くなります。
- あさひ
- さくら
- コスモス
聴きなれない言葉はインパクトがあり、他者とカブりにくいです。
ただし、あまりに変わった言葉や造語にすると、相手に何度も聞き返されたり、覚えてもらえない可能性があります。
- 紅蓮華(?)
- アルクトゥルス(??)
- ULTRA-INFINITY(???)
他者とカブらないことは重要
名称を決める上で、他者とカブらないことは重要な要素です。
今ではネットで事務所を検索するお客様も多く、同じ事務所名があるとなかなか自分のサイトに行きついてもらえません。
可能であれば唯一無二の名称にし、検索にかかるのはうちだけという状態か、少なくともトップに来るのが理想です。
戦略がある場合は別ですが、基本的には自分だけの事務所名を持つ方がメリットが大きいと思います。
まとめ
事務所名を決める要素はほかにもたくさんありますが、私が個人的に感じていることだけをご紹介しました。
実際には、上記に挙げていない多くのパターンが存在しますので、日行連のHPで名簿を見ながら考えるのもいいでしょう。
一度開業すると、なかなか改名することはできなくなります。
大切な名前なので、じっくりと考えたいですね。