この時期、令和6年度(2024年度)の行政書士試験を受けるべく、勉強を開始しておられる方も少なくないと思います。
今年度から、試験の内「一般知識等」が改正されることとなりました。
すでにご存じの方も多いかと思いますが、当ブログでもご案内しておきます。
「一般知識等」から「基礎知識」へ
まずは行政書士試験センターのHPに掲載された改正のお知らせをご覧ください。
従来は「行政書士の業務に関連する一般知識等」という文言だったのが、「行政書士の業務に関し必要な基礎知識」と変更されています。
またその内容について、従来は「政治・経済・社会、情報通信・個人情報保護、文章理解」でしたが、「一般知識、行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令、情報通信・個人情報保護及び文章理解」と変更されています。
「現行試験の内容及び出題範囲を変更するものではありません。」との注意書きもあり、従来の範囲を逸脱するような問題が出るわけではありませんが、やはり出題内容には変化があると思われます。
行政書士の制度趣旨や実務に則した傾向になるということでしょう。
事前に行われたパブリック・コメント制度(意見公募)では、もう少し詳しい内容も記されています。
>「行政書士試験の施行に関する定め」の改正に関する意見募集(総務省HP)
>>「行政書士試験の施行に関する定め」の一部改正について 概要(上記ページ内PDF)
この資料では、改正点について以下のように記されています。
行政書士法、戸籍法、住民基本台帳法等行政書士の業務に必要な諸法令を「行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令」とし、「一般知識」、「情報通信・個人情報保護」及び「文章理解」とともにそれぞれの分野から一題以上出題することを規定する。併せて現行規定の「一般知識等」の括弧内に列挙していた「政治・経済・社会」を削除し、今後は、改正後の「一般知識」の分野において出題しうるものと整理する。
長い文章ですが、行政書士業務と関わりが深い諸法令から1題以上の出題が規定されるということです。
諸法令の例としては、行政書士法、戸籍法、住民基本台帳法が挙げられています。
実際これらの法令は、平成17年度以前の試験では出題されていたもの。
今回の改正で、これらの出題が明記されたことになります。
「政治・経済・社会」の文言は告示からは消えますが、「一般知識」の一部として出題される可能性はあるということです。
対策と注意点
「現行試験の内容及び出題範囲を変更するものではありません。」との注意書きから、内容がガラッと変わってしまうわけではないと思います。
しかし行政書士法など最近では出題のなかった問題が出る可能性があり、対策が必要です。
それほど詳しく勉強する必要はないと思いますが、例示されている法令についてはポイントを掴んでおくべきでしょう。
各出版社や資格予備校が出している最新のテキストでその内容に触れることができます。
改正前のテキストではカバーできないため、中古のテキストを使う方や、昨年度までのテキストを引き続き使用される方は注意が必要です。
まとめ
試験に関する改正はドキドキしますが、どんな問題が出るか分からないのは皆同じです。
基本的にはこれまで通りの対策を行ない、行政書士に関わる法令もプラスアルファで押さえていくと良いと思います。