行政書士試験の講座は、本当にたくさんの種類があります。
大手資格スクールの通学・通信講座。
通信講座専門業者による通信講座。
さらに、テキストや問題集ではなく、学習ノウハウだけをパッケージにした商材も数多くあります。
価格も数万円から数十万円までさまざまです。

金銭的に余裕があればいずれかの講座を受講するのも良いでしょう。
しかし、なかには不誠実な業者もあるので注意が必要です。
この記事では、どうすれば質の悪い講座に引っかからずに済むのかを考えていきましょう。

「○○日で合格できる!」は怪しいと思え

講座や商材のなかには、「○○日で合格!」と謳っているものがあります。
こういう文言があったら怪しいと思いましょう。
合格するために必要な学習期間には、確実に個人差があるからです。

まず、状況が人によって違います。
受験生の中にはフルタイムのサラリーマンもいれば、無職の人や主婦もいます。
一人暮らしの人もいれば家族の世話で忙しい人もいます。
状況が違うのですから、「○○日で合格できる」などと言えるわけがないのです。

さらに、能力も人によって大きく異なります。
たとえば、同じ本を読むのに1時間で済む人もいれば、3時間かかる人もいます。
難関の国家試験に挑むとなれば、能力の差はもっと大きく影響するでしょう。

そうであれば「○○日で合格できる」などと、どうして言えるのでしょうか?
合格までに要する期間を明示することなど不可能なことなのです。

たしかにその日数で合格する人もいるかもしれませんが、そんな保証はありません。
日数を明示すること自体が無責任と言わざるを得ないでしょう。

さらに、往々にして「〇〇日で合格」の日数は異様に短い期間です。
そのような業者は、自社の売上げばかりに固執し、受験生のことを考えていないのではないかと思います。
そのような業者が提供するサービスは、仮に安くても手を出さないほうが良いでしょう。

「らくらく合格」はあり得ない

いくつかの講座は「らくらく合格」を謳っています。
法律初学者でも楽に合格できると。

はっきり言わせていただきます。
楽して合格できるわけがありません。

法律学習に近道などありません。
だれがやっても、難しい法律を理解し問題を解けるようになるには、かなりの時間と労力が求められます。

「らくらく合格」を謳う業者は言い分として、「下手な方法で勉強するよりは、うちの講座を使った方が近道という意味だ」と説明するかも知れませんが、そうだとしても「らくらく」はあり得ません。

行政書士試験の実情を知らない初学者に誤解を与え、購買を煽っているとしか思えません。
そのような不誠実な業者が、良質の講座を提供しているとは考えにくいです。

「不合格の場合は全額返金」にも要注意!

いくつかの講座は「不合格の場合は全額返金」を謳っています。
たしかに返金制度があると、自信がない人でも安心して挑戦できるでしょう。

でも注意してください。
全額返金には多くの条件が課されている場合が少なくありません。
購入する際は、返金条件をしっかり確認するようにしましょう。

たとえばある講座には、返金条件の中に次のようなものがあります。

添削課題の平均得点率が70%以上であること

考えてみてください。

行政書士試験の合格得点ラインは60%です。
添削課題で平均70%以上を得点できている人は、本試験で合格できる可能性が高いでしょう。

逆に、本試験で不合格になる受験生は、添削課題で70%以上を得点することも難しいと思われます。
であれば、この返金制度はほとんど無意味です。

返金制度のある講座を購入する場合には、返金条件をよく確認し、納得してから購入するようにしましょう。

まとめ

行政書士試験の講座や商材はとても多いですが、よく吟味して信頼できるものを選ぶようにしましょう。
購入する場合には、業者のホームページだけではなく、ツイッターなど他のメディアでの評判も良いものを選ぶことをおすすめします。