法律系の国家資格として人気の行政書士。
年に1度行なわれる行政書士試験は、毎年4万人もの人が受験しています。
では、行政書士とはそもそもどんな職業なのでしょうか?
この記事では、行政書士という仕事について簡単に解説したいと思います。
目次
行政書士とは
行政書士は、「行政書士法という法律でその存在が定められている国家資格です。
この法律では、行政書士は他人の依頼を受け報酬を得て
- 官公署に提出する許認可等の申請書類の作成ならびに提出手続き代理
- 遺言書等の権利義務、事実証明、および契約書の作成
- 行政不服申立て手続きの代理
などを行なうことが定められています。
なかなか難しい表現ですね。1つずつご説明します。
官公署に提出する許認可等の申請書類の作成ならびに提出手続き代理
これは簡単に言えば、役所に提出するさまざまな書類をお客さんに代わって作成・提出することです。
何か新しいことを始めようとすると、多くの場合、許認可やほかの行政手続が必要になりますね。
たとえば会社を立ち上げるとき、何らかの補助金を申請するとき、外国人が出入国するときなどに手続きが必要になります。
行政書士はそのような手続きを代理で行なって報酬を得ることができるのです。
行政手続きには煩雑なものも多く、一般の方が自力で行なうのは難しい場合も多いですよね。
行政書士はそのようなお客さんや企業の助けになることができる仕事です。
遺言書等の権利義務、事実証明、および契約書の作成
行政書士は、行政庁に提出する書類以外にも、多くの書類作成をすることが可能です。
たとえば遺言書や遺産分割協議書、離婚に関する公正証書の作成など。
行政書士は、地域の人々の生活をサポートし、トラブルを未然に防ぐことに貢献できるわけですね。
行政不服申立て手続きの代理
これは平成26年の「行政書士法」改正によって新たに加わった業務です。
行政不服申立てというのは、何かの申請が通らなかったときや免許停止処分などがあった際、不服を申し立てる制度のことです。
従来は、この行政不服申立てを依頼者に代わって行なうことができるのは弁護士だけでしたが、新たに行政書士も一定の不服申立てについては代理できるようになりました。
この業務は、特別な研修課程を修了した行政書士だけが行なえるものとなっています。
行政書士の仕事は大きな可能性を秘めている
行政書士の作成できる書類は、9000種類を超えると言われます。
行政書士は、一般の方や企業が行なうさまざまな活動に関わることができるのです。
最近では、ただ申請書類や契約書を作成するだけではなく、コンサルティング業務やセミナーを行なう行政書士も増えています。
たとえば、起業したい人を支援するコンサルティングを行なったり、遺言・相続セミナーを開催したりといった具合です。
行政書士は扱うことのできる業務が多岐にわたるため、これまでの経歴を存分に活かして活躍できるのが特徴と言えるでしょう。
ほとんどの行政書士は独立開業している
行政書士のなかには大きな行政書士事務所に勤務している人もいますが、ほとんどは個人で開業しています。
自宅を事務所として開業している人もいれば、専用の事務所を借りて(あるいは建てて)運営している行政書士も。
個人事業主となるので、営業、経理などすべてをこなさなくてはなりません。
事業が拡大してくると、補助者を雇う行政書士も多いです。
会社員ではなく独立開業したい人にとって、行政書士はぴったりな資格と言えますね。
まとめ
行政書士は「身近な街の法律家」とも呼ばれ、人々の生活に密接に関係する大切な仕事です。
法律に関わるので常に慎重に業務を行なうことが求められますが、とてもやりがいのある仕事と言えるのではないでしょうか。
女性も多く活躍しており、大きな可能性を秘めた職業となっています。