直前期には、知識の総まとめをするツールがあると便利です。
今回は伊藤塾の志水講師が執筆した『うかる!行政書士 新・必修項目115 2020年度版』をレビューします。
後半ではLEC、TACのまとめ本との違いもご紹介。
購入の参考にしていただければ幸いです。
目次
『新・必修項目115』の特色
本書は、日本経済新聞出版が発行するB6判の教材で、伊藤塾の人気講師、志水晋介先生が執筆しています。
行政書士試験の全科目について、必修事項を厳選して掲載。
その特色を詳しくみていきましょう。
合計115の論点で必修事項を網羅
試験傾向を分析し、各科目から重要論点を抽出。
全科目合計で115の論点にまとめられています。
各論点は、1~10ページほどを使って整理されており、重要事項が短時間で復習できるでしょう。
憲法や行政法で判例が重要な論点では、おもな判例がまとめて掲載されています。
豊富な図表で知識を整理
各論点は、豊富な図表を使ってまとめられています。
知識を俯瞰して見ることができ、記憶の助けにもなるでしょう。
学んだことを自分で図表にするのも勉強になるのですが、大変な労力と時間がかかります。
本書は、忙しい受験生の味方になってくれるでしょう。
全体的に表でまとめられている箇所が多く、関係図などは少なめです。
重要度、テキスト該当箇所の掲載
各論点には重要度が3段階で表記されているため、学習の目安にできます。
また、『うかる!行政書士 総合テキスト』に準拠しており、各論点にリンクする部分が参照されています。
知識があやふやな部分はすぐにテキストに戻って復習できるでしょう。
ワンポイントアドバイスの掲載
要所要所に、志水講師のコメントを掲載。
学習のコツや各テーマのポイントを伝えています。
ゴロ合わせも多く紹介されており、実戦的だと思いました。
赤シートが付属
重要箇所は赤文字になっており、付属の赤シートを使って隠しながら学習できます。
とくに直前期の知識チェックに活躍しそうです。
用語を正確に覚えることは、記述式の対策にもなります。
他社のまとめ本との違いは?
同様の趣旨で発行されている他社書籍と比較してみましょう。
対象はLEC『出る順行政書士 最重要論点250』とTAC『みんなが欲しかった!行政書士の最重要論点150』の2冊です。
まず取り上げる論点の数は、本書が最も少なくなっています。
これは論点の区切り方次第なので、本書の情報量が少ないというわけではありません。
むしろ本書は他の2冊と比べてページ数が多く、情報が豊富です。
各論点のページ数は、本書が1~10ページ(一部10ページを超える論点もあり)、LECは1~3ページ、TACは一律2ページです。
本書は各論点をコンパクトにするよりも、論点ごとのまとまりを重視しているということでしょう。
テキストとのリンク表示は、本書とTACにはありますが、LECはありません。
テキストとの行き来がしやすいのは本書の利点です。
用語索引、判例索引は、本書とTACにはありませんが、LECのものにはあります。
学習時のちょっとした調べ物に使うには、LECのものの方が良いでしょう。
以上、他社書籍とのおもな違いをご紹介しました。
基本的にはテキスト等と同じシリーズのものを使うのがベストですが、使いやすそうなものを選ぶのもいいでしょう。
いずれの書籍も、普段の復習や直前期のチェックに活躍してくれます。
まとめ
『うかる!行政書士 新・必修項目115』は、コンパクトでありながら、本試験に必要な知識がしっかり収められています。
特に直前期には役立つでしょう。