行政書士試験において、記述式問題は300点中60点を占めています。
私はこの記述式問題対策として、2冊の問題集を使いました。
そのうちの1冊が『パーフェクト行政書士 40字記述式問題集』です。

この記事では、『パーフェクト行政書士 40字記述式問題集』の特徴や使用した感想をレビューします。
追記:『パーフェクト行政書士』シリーズは、2018年度版は出版されませんでした。

『パーフェクト行政書士 40字記述式問題集』の特徴

この問題集は、独学者でも無理なく記述式問題の対策ができるというコンセプトで作られています。
「基礎知識編」「本試験問題編」「予想問題編」の3部分からなっており、順を追って本試験に備えることができる仕様です。

ここから、各部分に分けて特徴をご紹介します。

「基礎知識編」

パーフェクト記述式 基礎知識編

「基礎知識編」では、記述力アップに不可欠な「条文」「判例」「用語」の知識を無理なく身につけるための穴埋め問題を多数掲載しています。

「本試験問題編」

パーフェクト記述式 過去問題編

「本試験問題編」では、過去10年間に出題された全33問を正解例と解説とともに紹介しています。
各問題に図表を使った詳しい解説が付いています。

「予想問題編」

パーフェクト記述式 予想問題編1 パーフェクト記述式 予想問題編2

「予想問題編」は、本試験の出題傾向を徹底的に分析して作成された実践的な予想問題です。
1テーマ2問のセットで出題し、全問題の解説には配点表も記載。自己採点して記述試験対策の完成度を図ることもできます。
過去に予想問題が実際に出題された実績が複数あります。

『パーフェクト行政書士 40字記述式問題集』を使用した感想

全体として、独学者が記述式問題の対策を行なう上でとても役立つ問題集だと思いました。
個人的に感じた長所と短所をお伝えします。

とくに良かったところ

「本試験問題編」で過去の傾向をしっかり把握できる

過去10年間の問題すべてが載せられているのが良いと思います。
年度別の過去問として出版されているものは過去5年間のものが多いです。
しかし記述式問題については、もう少し過去の出題傾向までさかのぼっておきたいところ。
問題数が少なく、配点が大きいため、過去に出題されたテーマがそのまま出題されることは考えにくいからです。

この本では10年分の過去問をまとめてチェックできるので、大きなメリットと言えます。

「予想問題編」で応用力が身に付く!

「予想問題編」は、応用力を高められる良問が多いと感じました。
出題内容としては、具体的な事例を挙げて解決方法を問うものが多いと思います。
それにより、基本書や参考書の学習だけでは身につかない応用力が身につきました。

たとえば行政法であれば、行政訴訟の種類について勉強します。
抗告訴訟だけでも、処分取消の訴え、無効等確認の訴え、義務付けの訴えなど種類が多く混乱しますよね。
そんななか、事例問題で具体的に問われることにより、「無効等確認の訴えはこういうときに起こせるんだな」などと理解できるわけです。

民法も行政法も、実際の事件を解決するような気持ちで取り組める問題が多く、基礎知識を応用する力が身についたと思います。

豊富な予想問題。2017年度は1問がばっちり的中!

オリジナルの予想問題は、民法40問、行政法38問が掲載されています。
主要テーマを網羅しており、十分な問題数があるため、実力アップに効果があると思いました。
また、2017年度は民法から1問が見事的中しました。(不法行為についての問題です。)

過去にも的中実績が多数あるようなので、かなり過去問をよく分析しているのだと思います。

ここはちょっと‥と思ったところ

あまり不満はないのですが、しいて言えば、やや難しすぎる問題が多い気はしました。
基本書に載っていないような用語を問う問題や、過去問に出題されたことがないような複雑な事例問題がいくつかあったからです。

とはいえ、全体としては易しい問題から難易度の高い問題まで幅広く掲載されています。
また、本試験よりも少し難しめの問題で鍛えておくのも悪くないのかもしれません。

まとめ

この問題集は、実際の過去問とオリジナル問題によって応用力を養うのに適していると思います。
ややマニアックな問題も見受けられますが、記述式で満点を狙っていくなら難しい問題にも積極的に取り組んでいくと良いでしょう。