行政書士試験において、記述式問題の攻略は非常に重要です。
300点満点中60点を占めているわけですから、当然ですね。

しかしこの記述式問題は多くの受験生の壁になっています。
どのように勉強したら良いのかわからない、というかたも少なくないでしょう。

この記事では、記述式問題の対策として、どのような勉強法が効果的なのかを考えていきます。

択一ができれば記述もできる?

行政書士試験の勉強法について調べていると、「記述式のための特別な対策は必要ない」という意見をときどき目にします。
択一式問題の対策をしていれば、記述式問題も自然と解けるようになる、というわけです。

この考え方は、ある意味では合っていますが、危険な考え方とも言えます。

知識は共通だが、問われ方・答え方が大きく異なる

確かに、択一式問題でも記述式問題でも、問われている知識に違いはありません。
記述式問題でしか問われない条文や判例は、存在しないでしょう。

しかし、択一式と記述式では問われ方も答え方も、大きく異なりますよね。
択一式の場合は、選択肢の中に必ず正解が含まれています。
各肢の正誤を判定できればそれで良く、まぐれで正解する可能性もあります。

一方の記述式は、正解になるキーワードは問題文に書かれていません。
ふさわしい法律用語や条文、判例のキーワードを思い出して、自分の手で書かなければなりません。
択一式と違い、消去法で解くことも不可能です。

さらに、多くの択一式問題は1テーマに絞って出題されるのに対し、記述式問題は複数テーマが総合的に出題されることがあります。

例として、行政事件訴訟法について考えてみましょう。

択一式問題の場合は、訴訟類型、訴訟要件、判決の種類でそれぞれ1問ずつ出題されるかもしれません。
ところが記述式問題になると、それらのテーマが1問の中ですべて問われることも。
問題によっては、判例知識もなければ解けない場合もあります。

記述式問題に答えるには、各テーマの関連性がよく整理されていなければならないわけです。

以上の理由から、「択一対策をしていれば記述も自然と解けるようになる」と考えるのは危険だと思います。

記述式問題を攻略すれば、択一式問題も解ける

私はむしろ、「記述式問題を攻略すれば、択一式問題も解けるようになる」という考え方が良いと思います。

記述式は総合問題であり、出題論点について幅広い知識がなければ解けません。
数多くの条文、判例の中で、どこが問われているのか判断する力も必要です。

記述式問題に数多く取り組むと、知識があやふやな部分が見えてきます。
そうして見つけた弱点をつぶしていくことで、知識を強固にしていくことができるのです。

ですから、基礎知識を学び、択一式問題が解けるようになってきたなら、記述式対策を積極的に行なっていくのが良いと思います。
そうすることによって実力が底上げされ、合格可能性を高めることができるでしょう。

記述式問題の効果的な対策とは

記述式問題の対策としてもっとも効果的な方法は何でしょうか?
私は、各社が出版している記述式問題集の中から2冊をマスターすることをおすすめします。

2冊使うことで、十分の問題数をこなすことができる

どの記述式問題集も、なるべく多くのテーマを網羅するよう問題を構成しています。
そうなると、各論点の出題は1つか2つです。

記述式はとても重要なので、十分の問題数をこなすために複数の問題集を使うと効果的です。

問題集ごとにクセがある

各社の記述式問題集ですが、それぞれ異なる特徴があります。
本試験には出ないような難しい問題が多いものもあれば、基礎的な問題が多いものも。

複数の問題集に取り組むことで、各問題集のクセを補い、いろいろなタイプの問題に触れることが可能になります。

おすすめの記述式問題集

私がとくにおすすめする記述式問題集は、『合格革命』シリーズのものです。

問題の難易度は標準的です。
冒頭の「基礎編」には、重要条文や判例の穴埋め問題があり、直前期の復習にも重宝します。

記述式だけでなく、多肢選択式の問題が掲載されているのも魅力です。

『合格革命 行政書士 40字記述式問題集』は最後まで使える1冊!

私は2冊目の問題集として『パーフェクト行政書士』シリーズのものを使いましたが、2018年度版は出版されていないようです。

そのほか、『みんなが欲しかった!』シリーズやLECの記述式問題集も良さそうです。

「方眼ノート」を使うとたくさん書ける!

記述式問題は40字程度で回答します。
本試験では、45マスの解答欄に記述していくことになります。
練習であっても当然、文字数を意識して回答していくことになるでしょう。

そこでおすすめなのが、方眼ノートです。
私はこのノートを選びました。

記述式ノート表紙

7mmの方眼罫ノートで、1行が22マス。
2行で44マスなので、本試験の1問分に近く、使いやすかったです。

1ページ32行あるので、16問分書くことができます。
たくさん書きましたが、それでも60ページ中21ページしか使いませんでした^^;

良ければお試しください!

まとめ

記述式対策をすることにより、記述式問題はもちろん、択一式問題の実力も大きく向上します。
2冊の記述式問題集をマスターすれば、高得点を目指すことができるでしょう。