「国家資格を取って、明るい未来を切り開こう!」
その意気込みは素晴らしいですが、行政書士という職業についてほとんど知らないまま受験に臨む人も少なくありません。(私もそうでした。)
「せっかく受験を頑張ったのに、明るい未来など待っていなかった」となってしまっては残念ですよね。
そこでこの記事では、行政書士受験生が陥りやすい誤解を取り上げたいと思います。
もちろん行政書士は夢のある職業です。
ですから誤解を解くとともに、行政書士の魅力についてもお伝えします。
誤解① 就職に有利
「行政書士資格を取っておくと就職に有利」という意見が散見されます。
確かに難しい試験を突破したという事実は評価されるかもしれませんが、この資格が就職に直結することは少ないと思います。
というのも、そもそも行政書士を対象にした求人ってほとんどないんですね。
一般企業が専属行政書士を雇うことは禁止されていますし、行政書士事務所の求人は都市部に少しあるだけです。
行政書士は基本的に開業を前提とした資格ということですね。
就職が主な目的であれば、他の実用的なスキル(語学・IT・簿記など)を身に付けた方が良さそうです。
しかし逆に言えば、自営をしたい人にとっては行政書士は魅力的な資格です。
人の指示を受けずに自由に経営できるというのは、サラリーマンには得られないメリットでしょう。
私自身、毎日自由に働ける喜びを知り、もう以前の生活には戻れない気がしています。
誤解② 資格さえあれば仕事が入ってくる
最近はネットに多くの情報があるのでこの誤解は少ないかもしれませんが、一応挙げておきます。
行政書士試験に合格して開業したものの、ほとんど仕事の依頼を受けられずに廃業してしまう人も少なくないようです。
成功している行政書士はみな、さまざまな営業努力の結果として仕事を受注しているのです。
行政書士は、資格を取るだけで将来が保証されるような資格ではないことは心得ておきましょう。
(そんな資格はそもそもないと思いますが。)
しかし逆に考えれば、自分で考えて営業活動を行ない、人脈を作ったりネット集客をしたりするのは、やりがいがあって楽しいと思います。
誤解③ 合格すれば簡単に開業できる
試験に合格しさえすれば、開業するのは容易いと考える人もいます。
中には「試験に合格しただけで行政書士を名乗ることができる」と思っている人もいるようです。
しかし実際に開業して行政書士を名乗るには、適切な事務所(自宅内でもOK)を準備し、20~40万円ほどの入会金を用意しなければなりません。(※金額は地域により異なる)
実務の勉強はもちろん、マーケティングや経理の勉強も必要です。
他業種に比べれば開業は簡単かもしれませんが、行政書士として成功するためには、合格後もさまざまなことを勉強し続ける必要があるのです。
しかし苦労する分、さまざまな知識を身につけることができ、新たな世界を切り開く喜びがあると思います。
誤解④ コミュニケーション能力不要
「行政書士として開業すれば、会社の煩わしい人間関係から開放される。」
コミュニケーションに自信がなく、こんな動機で行政書士を目指す人もいるかもしれません。
確かに独立すれば同僚や上司はいません。
しかし、日々お客様や役所の担当者とコミュケーションを取る必要があります。
私の場合は電話が苦手なので、毎回緊張してしまいます。(やっと慣れてきましたが)
行政書士にとってコミュケーション能力は欠かせないものであり、サラリーマン時代よりも重要性が増すという先輩が多いです。
しかしその分、人脈を広げることができ、お客様から直接感謝される機会も多くなるでしょう。
とても喜びの大きな仕事だと思います。
まとめ
今回は、行政書士にまつわる4つの誤解を取り上げました。
確かに行政書士という職業は簡単な仕事ではありませんが、多くの先輩方が仕事を楽しんでおられ、とても夢のある仕事だと思います。
私も行政書士になって日が浅く、まだまだ勉強中の身。
これから合格される皆さんとともに、行政書士として活躍できたら嬉しいです!