行政書士試験の一冊もののテキストは個性的なものが数多く出版されていますが、今日は『スッキリわかる行政書士』をご紹介します。
本書は初学者や、短期間での合格を目指す方にとって良い選択肢となるでしょう。
その特色や使い方について、詳しく見ていきます。
※本書は出版社様よりご提供いただきました。
目次
『スッキリわかる行政書士』はわかりやすさにこだわった1冊
『スッキリわかる行政書士』は、TAC出版が主に初学者用に発行しているテキスト。
2020年度版は表紙デザインが一新されていますが、2013年度版から続くシリーズです。
無駄を省いた、初学者に優しい構成
本書のコンセプトは「なにがなんでも60%を取る」こと。
合格ラインである60%の得点を実現するため、無駄なことを省き、重要な点だけをシンプルに学べる校正になっています。
主な対象者は法律初学者。
予備知識がなくても無理なく理解できるように構成されています。
内容を画像とともに外観してみましょう。
各単元の冒頭にはイラスト付きのリード文があり、概要をつかむことができます。
単元ごとの重要度も記載。
解説は初学者にもわかりやすい文体で書かれており、補足的な内容は吹き出し(注釈)に記載。
説明は箇条書き的ではなくストーリーになっており、かみ砕いた説明で安心感があります。
図表もふんだんに用いられ、スッキリとまとめられています。
人物関係を図示する際には、パン太くん(パンダ)、コア男(コアラ)、ネズ吉(ネズミ)などかわいいキャラクターが登場。
重要判例も、簡潔な説明とともに紹介されています。
各単元の末尾には数問の正誤問題が付いており、知識の確認が可能です。
このように、必要なものはしっかりと収録しつつ、合否に関係しない踏み込んだ論点を省くことにより、初学者でも挫折せずに学習を続けることができる内容となっています。
冒頭ページで民法の改正点を解説
本書冒頭では11ページにわたり、民法改正のポイント(変更点)を紹介。
分野ごとの表により、改正点が一目瞭然となっています。
民法の学習経験者にとっても安心ですね。
巻末には語句索引が付いている
巻末には語句索引が付いており、学習の際に参照しやすくなっています。
『スッキリわかる行政書士』の使い方
本書中で、学習方法について以下のアドバイスがあります。
まずは本書を最初から最後まで一気に読み切ってください。
1つひとつ熟読しながら考えて読むのではなく、できるだけ短いっ巻でざあーっと読むのです。
その読み切った後に、今度は1つひとつ丁寧に熟読しながら、姉妹書の『スッキリとける行政書士 頻出過去問題演習』で実際の問題を通して、基礎知識の確認と判断力や解法テクニックを磨いてください。
実際、本書は他のテキストと比べて読みやすく、語り口調で書かれているのが特徴です。
読み物として読み通せるように作られているのだと思います。
また、細かい点が理解できなくても短期間で1周するというのは、本書に限らず重要なことです。
そうすれば全体像をつかみやすく、その後の学習効率が高まるでしょう。
本書は必要不可欠な知識を簡単な言葉で解説しているため、初学者におすすめです。
また、本試験までに十分な時間が取れない方にも良い選択肢となるでしょう。
もっとも、より合格可能性を高めていくためには、発展的な知識を取り入れることが求められます。
本書の内容を身に付けた上で余裕がある場合には、他の副読本、記述式問題集、判例集などを使うことをおすすめします。
まとめ
本書は、かみ砕いた解説が特色の個性的な1冊。
法律を学んだことがなく、学習を続けていけるか不安な方にぜひ読んでみてほしいと思いました。