TAC出版の『みんなが欲しかった!』シリーズは、行政書士試験の人気教材シリーズです。
今回は『みんなが欲しかった!』シリーズの基本テキスト『行政書士の教科書』をレビューします。
皆さんが自分に合ったテキストを選ぶ際、参考にしていただければ幸いです。
目次
『みんなが欲しかった!行政書士の教科書』の特色
まずは、このテキストの主な特徴をご紹介します。
5つの分冊にバラすことができる
『みんなが欲しかった!』のテキストで最大の特徴は、科目ごとに本を分割できること。
全体を以下のとおり5冊にバラすことができます。
- 第1分冊:憲法
- 第2分冊:民法
- 第3分冊:行政法
- 第4分冊:商法、基礎法学、一般知識
- 第5分冊:みんなが欲しかった!行政書士試験六法
各社が1冊ものの基本テキストを出していますが、1000ページ近くになり、どうしても分厚くなってしまいます。
分厚いテキストは読みづらいですし、外出するときには大変ですよね。
このテキストは、そんな悩みを解決してくれます。
もちろん「1冊のままがいい!」という方は、バラさず使用することも可能です。
全体像がつかみやすい・フルカラーの図表で理解しやすい
このテキストは、他社のテキストに比べて初学者に優しい内容です。
まず、全体像をつかむことができるよう、多くの配慮がなされています。
- 全科目の概要やつながりがわかる「学習マップ」
- 各科目の全体像を示す「学習ガイダンス」
- 各セクションで学ぶ内容をまとめた「このSECTIONで学習すること」
これらのページがあることで、膨大な試験範囲のなかで迷子にならないよう、助けてもらえるわけです。
さらに、どのページにもカラフルな図表があり、わかりやすい説明となっています。
脚注には付加的な情報やアドバイスも充実しており、情報量が少なすぎるということもないでしょう。
テキストの内容は毎年見直され、より良いものに更新されています。
薄型六法が付いている
本書には、2018年度版から薄型六法が付くようになりました。
第5分冊が薄型六法になっており、行政書士試験に必要な条文が収録されています。
収録条文は以下のとおりです。
- 日本国憲法
- 民法(抄)
- 行政手続法
- 行政不服審査法
- 行政事件訴訟法
- 国家賠償法
- 地方自治法(抄)
- 個人情報の保護に関する法律
ページ数は160ページ程度となっていますが、私としては、この六法があれば他に六法を用意する必要はないと思います。
しかもこの六法、「赤シート対応」となっています。
条文中の重要語句が赤文字になっており、赤シートを使って確認することができるのです。
この学習法は、記述式対策にも有効でしょう。
赤シートは書籍に付属しています。
民法改正に関する特集ページも
2020年度は民法改正があるため、巻頭に特集ページが設けられています。
11ページにわたり改正点をまとめたものです。
もちろんテキスト本文の中でも、改正箇所ごとに説明が加えられています。
『みんなが欲しかった!行政書士の教科書』がおすすめな人
本書は以下のような方におすすめです。
テキストはカラフルなものを好む
本書は他のテキストと比べてカラフルな紙面です。
イラストも多く、楽しい気分で学習できるでしょう。
一方で「もっと落ち着いた紙面が好みだ」という方もおられるかもしれません。
その場合には『合格革命』やLECの基本テキストが有力な選択肢です。
情報量よりもわかりやすさを重視
『合格革命』の基本テキストと比べると、情報量はやや少なめ。
全体的に大きな図表を使ってわかりやすく解説している結果でしょうか。
本書は「初学者でもわかりやすい」がコンセプトのため、発展的な学習を望む方はもの足りなく感じるかもしれません。
本書で全体像を理解したあとで、『よくわかる』シリーズなどの補助教材で理解を深める使い方が良いかもしれません。
個人的には、どのテキストを使ったとしても補助教材は必要だと思っています。
1冊もののテキストの役割は、全体像をつかむことと、辞書的に参照することでしょう。
まとめ
『みんなが欲しかった!行政書士の教科書』は、初学者にもわかりやすく、使い勝手の良いテキストです。
カラフルな図表や薄型六法などの特長があります。