行政書士試験において行政法は、メイン中のメインとなる科目です。
行政法とはどんな内容なのでしょうか?
この記事では、行政書士試験における行政法の特徴や出題傾向、勉強法をご紹介します。
また、行政法に取り組む上で注意すべき点もお伝えします。
行政法とは
おそらくどのテキストでも最初に触れられていることですが、「行政法」という名称の法律はありません。
行政法とは、数多くの法律の中から、行政に関する法律をまとめて表現した言葉です。
しかし行政とひとくちに言っても、大小さまざまな組織があります。
各分野に専門的な法律があり、行政法に含まれる法律は膨大です。
行政書士試験では、そんな行政法の基本部分が試験範囲になっており、以下のように定められています。
行政法の一般的な法理論、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法及び地方自治法を中心とする。
行政書士になる資格を得るための試験ですから、行政法が大切なのは当然と言えるでしょう。
本試験では例年、300点満点中112点と、群を抜いて高い配点が振られています。
行政法の問題には3つの出題形式があります。
- 5肢択一式問題が19問(各4点)
- 多肢選択式問題が2問(各8点)
- 記述式問題1問(20点)
行政法を攻略できるかどうかが合否を分ける決め手であり、どこから出題されても得点できる実力が必要になるでしょう。
行政法は「どこからでもかかってこい」と言えるほど徹底的に
300点満点中112点を占める行政法ですから、どの科目よりも力を入れて勉強する必要があるでしょう。
条文と判例、両方の知識が広く問われます。
とくに、
- 行政手続法
- 行政不服審査法
- 行政事件訴訟法
この3つに関しては、条文を隅から隅まで理解する意気込みが必要です。
行政法では、用語の意味や制度の仕組みをしっかり理解することが重要になります。
一般に使われる言葉でも、行政法においては意味が異なるものがあります。
また、行政法のなかで互いに似た用語や制度が多くみられます。
本試験では、そういうところを突いてくるんですね。
「ちゃんと用語の意味の違いをわかってますか?」
「制度の構造を理解していますか?」
そういうことが問われます。
ですから行政法では、知識の整理が最重要です。
樹形図やフロチャートを使って(できれば自分で書いてみて)、知識を整理していきましょう。
行政法では判例問題も出題されます。
たとえば、
- どのような案件を行政事件として提訴できるか
- どのような事件で国に賠償を請求できるか
などの判例知識がよく問われます。
2017年度の本試験では、記述式問題が判例知識を問うものでした。
行政法に関する判例は、判例集などを使って十分に学習しておきましょう。
行政法は、学び始めは難しく感じるかもしれません。
憲法、民法と比べて生活になじみのない言葉が多く出てくるからです。
しかし、構造さえ理解できれば得点しやすい科目でもあります。
本試験までには、「どこからでもかかってこい!」と言えるようになっておきましょう。
まとめ
行政法とは、行政に関する法律の総称。
行政書士試験では、行政法のなかでも基礎となる法律が試験範囲とされています。
配点はもっとも大きく、どこから出題されても得点できる力が必要です。
条文、判例ともにしっかりと勉強していきましょう。