行政書士試験において一般知識科目は、法令以外の知識が問われる独特な科目です。
一般知識とはどんな内容なのでしょうか?

この記事では、一般知識科目の特徴や出題傾向、勉強法をご紹介します。
また、この科目に取り組む上で注意すべき点もお伝えします。

一般知識科目とは

行政書士試験の一般知識科目は、正確には「行政書士の業務に関連する一般知識等」といいます。
出題内容は「政治・経済・社会、情報通信・個人情報保護、文章理解」と明示されており、幅広い分野からの出題が見られます。
例をいくつか挙げると、

  • 各国の政治形態
  • 日本の戦後経済
  • 高齢化問題
  • 情報通信用語
  • 現代文の空欄補充や並べ替え

などの問題が出されます。
行政書士の業務範囲はとても広いので、広範な知識が必要ということなのでしょうか。

しかしそれにしても、本当に幅広い分野から出題がなされます。
2017年度本試験では、「この問題は行政書士の業務に関係がないのでは?」と思われる出題がいくつか見られ、話題を呼びました。

とくに、作家・山崎豊子さんの著作を選ばせる問題は批判の声も多く聞かれました。
たしかに、山崎豊子さんの著作を知っているかどうかは、行政書士業務とは関係ないように思えますね。
「それぐらい広い視野が行政書士には必要だ」と言いたいのでしょうか?

2018年度本試験では、前年の批判を受けてか(?)クイズのような問題な姿を消しましたが、逆に行政書士の実務に直結するような問題が複数出題され、受験生を驚かせました。

試験研究センターの意図はわかりませんが、とにかくさまざまな問題が出るのが行政書士試験の一般知識科目です。
出題は5肢択一式が14問(各4点×14問)となっています。

この一般知識科目には、6問以上正解(24点以上)という合格基準が設けられています。
したがって、仮に法令科目が満点でも、一般知識科目の基準を満たさなければ不合格です。

出題テーマが読めないうえに合格基準がある一般知識科目は、受験生の悩みの種になっています。

一般知識は基本書の内容を中心にして、知識を広げていく

一般知識は300点満点中56点と、大きなウエイトを占めています。
しかし配点はともかく、合格基準点が設けられていることに注意しなければなりません。
足切りになってしまっては、いくら法令科目を頑張っても報われません。

ですから、メインの法令科目をおろそかにすることはできませんが、一般知識もそれなりに準備しなければなりません。

そうは言っても、試験でどんな問題が出るかはほとんど予想がつきません。
何を勉強すれば良いのかも悩むところです。

そこでまずは、行政書士試験用の基本書に載っている内容をよく勉強することから始めてみるのはいかがでしょうか。
基本書は過去問の傾向に基づいて書かれているので、どのようなテーマを勉強すれば良いかがわかるでしょう。

しかし本試験では、どれだけ広い知識を持っているかが問われます。
基本書の内容にとどまらず、関連するトピックをテレビ・ネット・本で普段から勉強するようにしましょう。
時事問題が出題されることも多いので、最新の時事問題を扱った本が1冊あると心強いです。
私は『速攻の時事』という、公務員試験向けの教材を読みました。

その他に、ニュース検定の教材や、大学入試用の教材を勧める先生もおられます。

情報通信用語はほぼ毎年出題されているので、しっかり準備しましょう。
総務省のホームページにある用語集を勉強するのがおすすめです。

文章理解は毎年3問出題され、貴重な得点源になるところです。
3問中2問は正解できるように、模試などでよく練習しておきましょう。

なかなかとらえどころのない一般知識ですが、足切りになることがないよう”それなりに”よく準備しておきましょう。

まとめ

一般知識は、政治・経済・社会・情報通信など、さまざまなテーマから出題される科目です。
一般知識科目には合格基準点が設けられているため、手を抜くことはできません。
法令科目をおろそかにしない範囲で、さまざまな分野の情報を吸収するよう努力しましょう。