初版以来評判が高かった『民法・行政法 解法スキル完全マスター』がついに改訂されました!
私自身も受験生時代に使用し、かなり救われたと感じています。

本書は問題を解くプロセスに注目し、「知識がある」状態から「問題が解ける」レベルに引き上げてくれる一冊。
「テキストを何度も読んでいるのに問題が解けない!」という方にはもってこいの内容です。

この記事では、第2版の内容を詳しく紹介し、その使い方についても検討します。

『民法・行政法 解法スキル完全マスター 第2版』の特徴

民法・行政法解法スキル完全マスター第2版

本書は伊藤塾の『うかる!行政書士』シリーズの一冊で、インプットとアウトプットの橋わたしがコンセプト。
問題の解法がテーマごとに学べる貴重な参考書で、2017年出版以来、受験生に人気となっています。

民法改正などを受け、2020年8月22日、第2版が発行されました。
新民法に関する内容はもちろん、行政法も最新の本試験を反映した内容にバージョンアップされており、ページ数は初版と比べて30ページ以上増えています。

では特色を詳しく見てみましょう。

民法、行政法の重要テーマを幅広く扱っている

民法・行政法解法スキル完全マスター第2版 民法・行政法解法スキル完全マスター第2版

目次を見てわかるように、本書は民法と行政法の重要テーマを一通り扱っています。

イントロダクションで概要をつかむ

民法・行政法解法スキル完全マスター第2版

各テーマの冒頭には『イントロダクション』というコラムがあり、出題傾向の分析や必要な対策が書かれています。
たとえば「行政事件訴訟法」のイントロダクションでは、

  • 重要論点は①訴訟類型選択、②訴訟要件、③判決の種類・効力 である
  • 近年では、訴訟要件の論点で判例知識を問う出題が増えている
  • 判例知識をしっかりと身につけ、訴訟要件などを正確に覚えるべき

といった内容が書かれています。
こういうアドバイス、助かりますよね。

『解法の鉄則』で問題の解き方がわかる

民法・行政法解法スキル完全マスター第2版

各テーマは、複数の大見出し・小見出しに分かれています。
たとえば「行政事件訴訟法」は、

  • 訴訟類型選択【総説】【当事者訴訟】
  • 訴訟要件等【処分制】【原告適格・狭義の訴えの利益】【仮の救済】
  • 訴訟の終了【判決の種類】【判決の効力】

という7つの小見出しに分けて解説されています。

各小見出しの冒頭には『解法の鉄則』が書かれています。
これは、問題を解く際に何をどの順番で検討していけば良いかを示すものです。
このような解法テクニックは、独学者にとって本当に助かります。

肢別問題で『解法の鉄則』が身につく

民法・行政法解法スキル完全マスター第2版

『解法の鉄則』のあとには、詳しい解説が載っています。
この解説は、過去問などから選んだ肢別問題を検討する形で進みます。
この解説がまたすばらしく、『解法の鉄則』がしっかり身につくよう工夫されています。

民法・行政法解法スキル完全マスター第2版

さらに、要所要所に図表もあり、知識の整理にも役立ちます。
もはやこれは独学ではなく、資格スクールの授業を受けているような感覚です。

記述式問題の解法も学べる

民法・行政法解法スキル完全マスター第2版

本書は全体として、択一式にも記述式にも使える考え方を扱っていますが、巻末では記述式特有の出題方法を攻略するためのアドバイスを掲載。
14ページにわたり、民法、行政法それぞれの解法を解説しています。

『民法・行政法 解法スキル完全マスター』おすすめの使い方

『民法・行政法 解法スキル完全マスター』は本来、伊藤塾の総合テキストと問題集の橋わたし教材として作られています。
各単元には、対応するテキスト・問題集のページが書かれているので、併せて使うと便利です。

しかしこの参考書は、伊藤塾以外の教材を使っている人でも十分に効果を発揮するでしょう。
私自身、主に使っていたのは『合格革命』シリーズと『よくわかる』シリーズでした。

私は本試験の1か月ほど前にこの本と出会い、読み込むことで実力アップを実感しました。
しかし、できればもっと早く出合いたかったと感じました。

この参考書は、基本書や問題集で全体像をつかんでから読むと効果が大きいでしょう。
過去問を解くようになってから直前期にかけても、本書は大いに活躍するはずです。

択一式問題だけではなく、記述式問題の対策としても使える濃い内容なので、複数回読んで十分に内容を理解することをおすすめします。

直前期には、この本に載っている肢別問題すべてを理解し、説明できるレベルになっていることが理想です。
過去問を解いて不正解だったときには、この本の該当部分を読み直してみましょう。
きっと理解が深まると思います。

まとめ

『民法・行政法 解法スキル完全マスター』は、民法・行政法の主要テーマを網羅し、さまざまな問題の解法プロセスが理解できる良書です。
私が半年間の独学でありながら得点を伸ばし、記述式で満点を取れたのも、この本のおかげだと思っています。

独学者でもスクールの授業を受けている感覚で読めるため、最高におすすめの1冊です。