定番のテキスト、LEC 出る順行政書士シリーズから、『合格基本書』『合格問題集』の2つ(2022年度版)をご紹介します。

シンプルかつ情報量の多さで人気の両書を、画像付きでご覧ください。
(なお本書は東京リーガルマインド様よりご提供いただきました。)

『合格基本書』の特色

『出る順行政書士 合格基本書』は、資格予備校のLECが作った一冊もののテキスト。
行政書士試験の試験科目すべてを1冊で網羅しており、初学者にも理解しやすい内容となっています。
特色を見てみましょう。

見開き完結型

LEC 出る順行政書士 合格基本書&問題集 2022

本書の大きな特色は、全てのテーマが見開き完結型になっていること。
科目ごとにテーマを細かく分割し、1テーマを見開き2ページに収めています。

例を挙げると、行政法は87テーマ、民法は120テーマに分かれています。
もちろん、広い範囲を無理やり1テーマに収めるのではなく、ボリュームの多い単元は複数テーマに分割。

その効果として、複雑な内容を整理しながら学ぶことができるでしょう。
また、多忙な受験生にとっては、1テーマを2ページで学べる気軽さもメリット。
学習の継続を後押しするものとなりそうです。

1冊もののテキストは、わからないことを確認する「辞書」のような役割も果たします。
この点、見開き完結型は該当テーマを見つけやすく、アウトプット時にも役立つはず。

巻末には語句索引判例索引も掲載されており、検索性をいっそう高いものにしています。

LEC 出る順行政書士 合格基本書&問題集 2022 LEC 出る順行政書士 合格基本書&問題集 2022

シンプルな2色刷り

フルカラーのテキストも増えているなか、『出る順行政書士 合格基本書』は2色刷りを貫いています。

テキストにマーカーやメモを書き込んで、自分なりに仕上げていきたい方も多いでしょう。
そんな方にとってシンプルな2色刷りはもってこいです。

余白も広めになっており、「書き込み派」にぜひおすすめしたい1冊です。

充実した側注

ほとんどのページには側注部分が設けられており、さまざまな付加情報が掲載されています。

  • ことばの意味
  • ここに注意
  • プラスアルファ
  • 具体例で覚えよう!
  • 図表の読み方
  • 判例ゼミ

以上6種類の側注で、理解を深めたり、受験テクニックを知ることができます。

別冊でコンパクト六法が付属

LEC 出る順行政書士 合格基本書&問題集 2022

巻末には、取り外して使えるコンパクト六法が付属。
試験に必要な科目だけを収めた薄型六法は、学習効率を高めてくれるので重宝します。

収録されている法律は、他社の薄型六法と同様に、商法・会社法を除く主要なもの。
ただ、他社では民法が抄録(抜粋したもの)であるのに対し、本書は全条文を掲載
安心感が違います。

なお同じLECのテキストでも、『合格のトリセツ 基本テキスト』の六法は民法を抄録としており、微妙に違いがあります。

『合格基本書』の効果的な使い方

大手資格予備校であるLECが作っているだけあって、本書の内容は要所を押さえたものになっています。
見開き型でスッキリしていながら、情報量も充実しているのはさすが。
辞書のように参照しやすい作りになっているため、本試験まで長く活躍してくれるでしょう。

また本書には2色刷りという特徴があり、いろいろと書き込みたい方にはうってつけ。
逆にフルカラーの方が見やすいという方には、他のテキストをおすすめします。

本書のような1冊もののテキストは図表を用いて簡潔にまとめられているため、文章主体で解説された副読本と組み合わせ使うのも良さそうです。

『合格問題集』の特色

『合格問題集』は『合格基本書』に準拠し、基礎知識の定着を図ることができる問題集。
その特色を紹介していきましょう。

200問の「過去問+オリジナル問題」で基礎力アップ

LEC 出る順行政書士 合格基本書&問題集 2022

本書は、基礎力を高めるための200問が掲載されています。
文章理解を除けば、試験科目はすべて網羅
出題はすべて5肢択一式問題で、記述式問題等は含まれていません。
オリジナル問題は200問中半分近くとなっています。

半分は過去問からの出題ですが、『ウォーク問 過去問題集』との重複は心配ないでしょう。
というのも、『ウォーク問』は過去10年間の過去問を取り上げていますが、本書はそれ以前の良問も掲載されているからです。

なお、法改正が絡む過去問はすべて最新法令に沿って改題されており、安心して使用できます。

基本的な機能性をしっかり備えている

本書は基本問題集としての以下の機能性を押さえています。

  • 『合格基本書』該当ページの記載
  • 重要度・難易度の表示
  • 正否チェック欄(3回分)

丁寧な解説

本書の一番の特色は、一問一問に付いている詳しい解説でしょう。
各肢の解説はとても丁寧で、誤りの肢だけでなく正しい肢にも詳しい解説が付いています

解説中には根拠となる条文・判例がしっかりと記載されているため、六法や判例集で発展的に学習しやすくなっています。

また、肢ごとの解説だけでなく、情報を整理した表やワンポイントアドバイスが適宜挿入。
これだけ詳細な解説があると、独学者には助かると思います。

目隠しシートが付属する

各問題は見開きで、左ページが問題、右ページが解説となっています。
問題を解く際に解説部分を隠せるよう、「目隠しシート」が付属しています。

LEC 出る順行政書士 合格基本書&問題集 2022

『合格問題集』の効果的な使い方

本書によると、まず『合格基本書』と『合格問題集』を使って基礎力を身に付け、『ウォーク問』や『記述式問題集』に進むという流れが推奨されています。

私もその流れは効果的だと思います。
本書は比較的易しく、問題数も絞られているので、本試験レベルへのステップアップに最適と言えるでしょう。
学習初期はインプットに偏りがちですが、本書を併用することにより、アウトプットを同時並行で行なうことをおすすめします。

本書には解説文で条文や判例がていねいに参照されているので、可能な限り六法や判例集を開くようにするとさらに効果的ではないでしょうか。

まとめ

『合格テキスト』は見開き完結型・二色刷りという特徴を持ち、コンパクト六法も付属します。
『合格問題集』はオリジナル問題と過去問が半分ずつ収められた、バランスの良い問題集。
シリーズでそろえることにより、必要な知識をしっかりと身に付けることができるでしょう。