行政書士試験の学習において、判例学習は不可欠です。
過去問を見れば、多くの問題に「判例に照らし」の文言が含まれていることがわかります。
重要な判例についてはテキストに引用されているものもありますが、判例集が1冊あると便利です。
テキストと比べてくわしく判旨が掲載されており、より深く理解できるからです。
今回は、全科目の判例をまとめた貴重な1冊『みんなが欲しかった!行政書士の判例集』をご紹介します。
目次
『みんなが欲しかった!行政書士の判例集』の特色
『みんなが欲しかった!行政書士の判例集』はTAC出版が発行するB6版の判例集。
科目ごと・単元ごとにまとめられており、わかりやすさにこだわった編集がされています。
その特色を、くわしく見ていきましょう。
全科目の重要判例を網羅
本書は憲法、民法、行政法、商法の判例を収めています。
収録されているのは、おもな判例と関連判例を合わせて約550件。
頻出判例はもちろん、重要な判例や最新判例を網羅しており、頼れる1冊です。
新しいところでは1年前の判例まで載っています。
各判例には、過去の出題年度と問題番号を掲載。
重要度を把握しながら学習することができ便利です。
図解で事例を把握。争点や結論のまとめも
おもな判例については、どんな事案かを関係図とともに解説。
判例を理解する上で大きな助けになります。
さらに、各判例における争点と結論を表で示し、簡単にポイントをつかめるようになっています。
判旨そのものはやや短くまとめられていますが、争点に関わる部分はしっかりと掲載。
なかには2ページ近くに及ぶ判旨もあり、じっくり読み込むことができるでしょう。
関連判例や練習問題も充実
重要判例に関係の深い判例は、関連判例として短くまとめられています。
関連判例には重要度(A~C)の表示があり、学習の目安にできるでしょう。
また、重要判例ごとに練習問題が設けられています。
正誤問題で判例知識をチェックできるので、アウトプットにも役立ちます。
巻頭に民法の改正点まとめ特集ページ
2020年度は初めて改正民法が出題されることになりますが、本書では巻頭で30ページ余りを使い、改正点をまとめています。
判例学習の観点で重要なポイントが文章でしっかりと説明されており、わかりやすいです。
『みんなが欲しかった!行政書士の判例集』の効果的な使い方
2020年度現在、行政書士試験用の最新判例集はこれ1択という状態です。
(他社の判例集は2020年度版が発行されていません)
判例学習については、判例付き六法や『判例百選』などで学ぶ方法もありますが、初学者にもっとも理解しやすいのは本書でしょう。
とくに憲法と行政法は、判例集の読み込みが大切だと思います。
2、3回は通読し、論理展開を理解しましょう。
過去問や模試の復習をする際には、理解していなかった判例を本書で確認することをおすすめします。
本書巻末に判例索引があるので、簡単に見つけることができるでしょう。
民法については、条文と判例の知識が一体化しているため、テキスト学習で自然と身についていると思います。
民法の判例集読み込みは不要とする声もありますが、余裕があれば読むに越したことはないでしょう。
(私は時間がなかったので読みませんでした。)
判例は択一式のみならず、多肢選択式や記述式問題においても重要なので、おろそかにしないよう心がけましょう。
まとめ
『みんなが欲しかった!行政書士の判例集』は、初学者に配慮したわかりやすい判例集です。
1冊持っていると、読み込むこともでき、過去問などの復習の際にも活躍するでしょう。