最新版については以下の記事をご覧ください。

TAC出版の『みんなが欲しかった!』シリーズは、行政書士試験の人気教材シリーズです。

今回は『みんなが欲しかった!』シリーズの基本テキスト『行政書士の教科書』をレビューしたいと思います。
また、2019年度版に新発刊となった入門書『合格へのはじめの一歩』もご紹介します。

みなさんが自分に合ったテキストを選ぶ際に、参考にしていただければ幸いです。

『みんなが欲しかった!行政書士の教科書』の特徴

まずは、この基本テキストのおもな特徴をご紹介します。

5つの分冊にバラすことができる

『みんなが欲しかった!』のテキストで最大の特徴は、科目ごとに本を分割できることです。
全体を以下のとおり5冊にバラすことができます。

  • 第1分冊:憲法
  • 第2分冊:民法
  • 第3分冊:行政法
  • 第4分冊:商法、基礎法学、一般知識
  • 第5分冊:みんなが欲しかった!行政書士試験六法
みんなが欲しかった!行政書士の教科書 分冊

各社が1冊ものの基本テキストを出していますが、どうしても1000ページ近くになり、分厚くなってしまいます。

分厚いテキストは読みづらいですし、外出するときには大変ですよね。
このテキストは、そんな悩みを解決してくれます。

もちろん、「1冊のままがいい!」というかたは、バラさず使用することも可能です。

全体像がつかみやすい・フルカラーの図表で理解しやすい

このテキストは、他社のテキストに比べて初学者に優しい内容です。

まず、全体像をつかむことができるよう、多くの配慮がなされています。

みんなが欲しかった!行政書士の教科書ページ
学習ガイダンス
みんなが欲しかった!行政書士の教科書 ページ
このSECTIONで学習すること
  • 全科目の概要やつながりがわかる「学習マップ」
  • 各科目の全体像を示す「学習ガイダンス」
  • 各セクションで学ぶ内容をまとめた「このSECTIONで学習すること」

これらのページがあることで、膨大な試験範囲のなかで迷子にならないよう、助けてもらえるわけです。
さらに、どのページにもカラフルな図表があり、わかりやすい説明となっています。
脚注には付加的な情報やアドバイスも充実しており、情報量が少なすぎるということもないでしょう。

テキストの内容は毎年見直され、より良いものに更新されています。

薄型六法が付いている

みんなが欲しかった!行政書士の教科書 六法

本書には、2018年度版から薄型六法が付くようになりました。
第5分冊が薄型六法になっており、行政書士試験に必要な条文が収録されています。
収録条文は以下のとおりです。

  • 日本国憲法
  • 民法(抄)
  • 行政手続法
  • 行政不服審査法
  • 行政事件訴訟法
  • 国家賠償法
  • 地方自治法(抄)
  • 個人情報の保護に関する法律

ページ数は140ページ程度となっていますが、私としては、この六法があれば他に六法を用意する必要はないと思います。

しかもこの六法、「赤シート対応」となっています。
条文中の重要語句が赤文字になっており、赤シートを使って確認することができるのです。
この学習法は、記述式対策にも有効でしょう。
赤シートは書籍に付属しています。

『みんなが欲しかった!行政書士の教科書』の注意点

良いテキストですが、好みの問題もあるので、念のため注意点を挙げておきます。

カラフルさ

本書は他のテキストと比べてカラフルな紙面です。
なかには「もっと落ち着いた紙面が好みだ」という方もおられるかもしれません。
その場合には『合格革命』の基本テキストが有力な選択肢です。

情報量はやや少なめ

『合格革命』の基本テキストと比べると、情報量はやや少なめ。
全体的に大きな図表を使ってわかりやすく解説している結果でしょうか。

もっとも、このテキストは「初学者でもわかりやすい」がコンセプトの教材です。
このテキストで全体像を理解したあとで、『よくわかる』シリーズなどの補助教材で理解を深める使い方が良いかもしれません。

個人的には、どのテキストを使ったとしても補助教材は必要だと思っています。
1冊もののテキストの役割は、全体像をつかむことと、辞書的に参照することでしょう。

初学者におすすめ!『合格へのはじめの一歩』

2019年度版より、『合格へのはじめの一歩』という入門書が新たに発刊されました。

本書の目的は2つ。

  • 合格後のイメージを持つこと
  • 試験全体や各科目の全体像を把握すること

これらを実現するため、初学者に向けた全390ページほどの書籍が作られました。

内容は、まず「スタートアップ講座」として、行政書士という仕事についての解説や、試験の特徴を学びます。

みんなが欲しかった!行政書士の教科書 はじめの一歩 スタートアップ講座

全26ページの解説で、行政書士の仕事内容や試験概略をよく知ることができるでしょう。

続いては、科目ごとの入門講義です。

みんなが欲しかった!行政書士 合格へのはじめの一歩

科目ごと、図表を用いてわかりやすく解説しています。
特筆すべきなのは、『行政書士の教科書』からの抜粋ではなく、入門書オリジナルの説明や図表が多いこと。
また、入門書とはいえ、400ページ近い充実した内容となっています。

本書は、初学者が初めて読む本としておすすめの一冊に仕上がっています。

まとめ

『みんなが欲しかった!行政書士の教科書』は、初学者にもわかりやすく、使い勝手の良いテキストです。
カラフルな図表や薄型六法などの特長があります。

『合格のためのはじめの一歩』は、初学者でも安心して試験に挑戦できる内容でおすすめです。