行政書士試験において民法は、行政法に次いで配点の大きな科目です。
民法とはどんな内容なのでしょうか?

この記事では、行政書士試験における民法の特徴や出題傾向、勉強法をご紹介します。
また、民法に取り組む上で注意すべき点もお伝えします。

民法とは

民法とは、国民の日常生活を規律する基本的な法律です。
生活を規律する法律は他にもたくさんありますが、それらの根幹をなすのが民法。
そのため、民法が扱う範囲は非常に広いものとなっています。
1000条以上におよぶ条文のなかで、日常のさまざまな場面を想定した基本ルールが収められているわけです。

いくつか例を挙げると、民法は次のようなテーマを扱っています。

  • 所有権
  • 担保物権
  • 契約
  • 不法行為
  • 相続

行政書士試験においては、民法は主要3科目(憲法・行政法・民法)の1つに数えられます。
本試験では民法全体からまんべんなく出題されるため、幅広い知識が必要です。

民法には以下の2つの出題形式があります。

  • 5肢択一式問題が9問(4点×9問)
  • 記述式問題が2問(20点×2問)

生活を規律する法律ということで身近に感じますが、難しいテーマが多く、受験生の壁となる科目です。
記述式問題も2問あるため、じっくり勉強して各テーマを理解するように努力する必要があるでしょう。

民法は、考え方を知る。違いを理解する。

300点満点中76点を占める民法は、行政法に次いで重要な科目です。
多くのテーマを扱っていますが、まんべんなく勉強しておく必要があるでしょう。

じつは、民法はなかなか複雑な法律です。
構造がすっきりしている行政法と比べると、民法は箇条書き的なのです。
起こり得る多くのケースを想定して作られているので、基本ルールとはいえ複雑にならざるを得ないのでしょう。

ですから民法の場合には、1つのテーマで学んだ構造を他のテーマに単純に当てはめることはできません。
むしろ各項目を1つずつ理解し、知識を積み上げていくイメージです。

民法は生活に密着した法律ですが、勉強してみると難しく感じます。
とくに、担保物権や保証債務などのテーマはとても複雑で、最初は圧倒されるかもしれません。

「一度で理解できるものではないんだ」と割り切って、辛抱強く学習をくり返しましょう。
何度もテキストを読んでいると、少しずつ見えてきます。

民法の場合、1つ1つの言葉や制度を理解しても、いざ問題を解こうとするとまた壁が立ちはだかります。
問題を解くには、どのテーマが問われているのかを判断しなければならないからです。

問題によっては、複数テーマが横断的に問われていることもあります。
ここでもやはり、辛抱強さが求められます。
インプットとアウトプットをくり返していくことで、少しずつ理解が深まってきます。

  • 似たような制度でも、どこに違いがあるのか?
  • 似たような状況でも、法律的に何が異なるのか?

そのような「違い」がわかってくるでしょう。

私の場合は、本試験直前の1か月間でやっとわかってきました。
ぜひ焦らず、諦めずに頑張りましょう。

民法の勉強法は、憲法や行政法とは少し違ってきます。
条文と判例が重要なのは変わらないのですが、民法の性質上、勉強の仕方に工夫が必要というわけです。

以下の2つの記事の後半部分で民法に触れているので、ご参照ください。

まとめ

民法は、国民の日常生活を規律する基本的な法律です。
行政書士試験においては、行政法に次いで配点が高く、重要な科目です。

内容を理解するまでが大変ですが、辛抱強く勉強を続けると少しずつわかってきます。
各用語や制度の考え方を知ること、似た用語や制度の違いを理解することに重点を置きましょう。